クロム親和性細胞
関連概念 : 生物学

[chromaffin cells]

クロマフィン細胞。
副腎髄質に存在する内分泌細胞の一。
他に膀胱や前立腺等の組織にも存在。
細胞内に分泌小胞のクロム親和性顆粒(クロマフィン顆粒、Chromaffin Granule)を含み、顆粒内にはカテコールアミンやエンケファリンなどの物質が貯蔵される。

【特徴】

  ・組織切片は重クロム酸カリウムで褐色調に染色
    (二クロム酸カリウム、K2Cr2O7)

【分類】

 ◆副腎髄質クロム親和性細胞
   軸索を失い分泌細胞となった交感神経の節後神経細胞
     交感神経の節前線維入力でアドレナリン放出
   副腎皮質の産生するグルココルチコイドアドレナリン生合成抑制
 ◆EC細胞(Enterochromaffin Cells)腸クロム親和性細胞
   胃腸におけるオータコイドであるセロトニンの産生に関与
   生体内セロトニン総産生量のうち90%
   過敏性腸症候群の患者はセロトニンの産生等の機構に異常
 ◆ECL細胞(Enterochromaffin-like Cells)腸クロム親和性細胞様細胞
   胃粘膜表面積の1〜3%
   ヒスタミンを放出して胃酸分泌に関与
     ヒスタミンは細胞質のヒスチジン脱炭酸酵素で産生
     2型小胞モノアミン輸送体で分泌小胞へヒスタミン蓄積
       (Vesicular Monoamine Transporter Subtype 2、VMAT2)
       V型ATPアーゼによるH+濃度勾配を利用したH+-ヒスタミンの対向輸送
     ヒスタミンは壁細胞上の2型ヒスタミン受容体(H2受容体)に結合
       胃酸の分泌
   アセチルコリンや胃幽門部上皮G細胞の分泌するガストリンで刺激

【機能】

 ◆病理
   クロム親和性細胞は悪性腫瘍発生で褐色細胞種に変化
     アドレナリンノルアドレナリンなどカテコールアミン産生能
     カテコールアミン産生量増大で二次的に高血圧

【発生】

神経堤からクロム親和性細胞が分化。

2009/07/04 masashi tanaka

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