[signal detection theory]
ノイズに埋もれた信号の検出力を調べるもの。
この理論は、感覚・知覚の心理学実験で用いられる刺激検出課題の成績の評価に応用されている。
【歴史】
1950年代、レーダー・システムの通信工学的理論として考案され(竹内ら,1989)、レーダーの性能評価のために作られた。
【前提】
・正規分布の仮定
・ノイズのみの正規分布とノイズ+刺激の正規分布が等分散
【指標】
◆刺激(信号)のあるとき(ノイズ(背景刺激)+刺激)
・hit(反応がある)
・miss(反応がない)
◆刺激(信号)のないとき(ノイズのみ)
・false ararm(反応がある)
・correct reject(正棄却。反応がない)
絶対閾の計測を多数回反復してこれらを計測し、ノイズのみの正規分布とノイズ+刺激の正規分布を導出。
◆オリジナルの信号検出理論による指標(Tanner&Swets,1954)
・d'(観察者の感度)
両正規分布の平均から判断基準までの距離の差
・β(バイアスの大きさ)
基準における両正規分布の値の比
d'に影響を受ける
・Cj(バイアスの大きさ)(Banks,1970,1986)
ノイズ分布の平均から被験者の反応の基準までの距離
◆ROC曲線による指標
・ROC曲線(receiver operating characteristic curve)
受信者動作特性曲線・等感受性曲線
・type I ROC curve
・type II ROC curve(Lockhart & Murdock, 1970)
・冦(御領,1973,1967; 田中・上村,1969)
・d'a(Simpson&Fitter,1973)
◆ノンパラメトリックな指標
・A'(Pollack et al,1964; Pollack&Norman,1964)
・B''(Grier,1971)
2008/01/16 masashi tanaka