百科全書派
関連概念 : 思想 科学 文学

18世紀の革命前夜のフランスで『百科全書』の編纂と協力を行い,それぞれ専門分野に関する項目を執筆した一群の「フィローゾーフ」(啓蒙思想家)たちをさしていう。

【百科全書派の人々】

『百科全書』への寄稿者は多士済々であるが,ディドロは編集長格で多数の項目の執筆だけでなく全体の見直しを行った。
ジョクールは補佐役として医学をはじめすべての項目に目を通した。
ダランベールも熱心な執筆者で『序文』と『ジュネーヴ』を含め,数学・自然科学の項目を担当した。

ほかにテュルゴー・ケネーは「経済学」を,エルベティウス・コンディヤックは「数学」を,マンモンテル・アベ=マレは「文学」を,ドルバックは「化学」を,アベ=イヴォン・ドゥ=プラドは「神学」を,ドーバントンは「自然科学」をおのおの担当している。

【運動】

1740年代なかばから1750代はじめにかけて,彼らはパリ高等法院・政府・イエズス会などの攻撃にさらされ,ケネーのようにその過程で離れるものもあったが,ディドロを核に刊行をつづけた。
百科全書派は,感覚・情念を重視する経験主義の立場をとり,道徳を信仰から切り離して追求する点で共通している。

文明の進歩を信じ,人間の知識の増大・技術の改良が人間の幸福に寄与すると考え,この信念にたって,無知・偏見を打破し,理性をすべてに優先する人類の共有財産とする使命感にもえていた。
このような観点は、モンテーニュなど、フランス=モラリストたちに影響を受けているとも見られる。

2003/11/29 masashi tanaka

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