[computed tomography]
コンピュータ断層撮影。X線CT。
放射線(X線)などを利用して物体を走査し、コンピュータを用いて処理し、物体の内部画像を構成する技術。
ハウンズフィールドが1967年に考案し、1972年に発表。
アラン・コーマックによるCTスキャナー開発。
【分類】
【原理】
・撮影
検査対象の周囲を線源とセンサが回転し、全方位からX線を照射
・解析
1断面を格子状(512〜1024px四方)に分割
総吸収量が各部位の吸収率の合計となるよう各部位の吸収率を算出
・吸収率の単位
CT値(CT number)(HU(Hounsfield unit)から計測)
空気は-1000HU、水は0HU
【分類】
◆単純CT(plain CT)
造影剤を使用しない
脳内出血、組織の浮腫、骨の形態異常、肺の形態など
臓器によっては腫瘍を視認できないことも多い
ただし、周囲の組織の圧排などから推測できることもある
◆造影CT(CECT; contrast enhanced CT)
ヨード造影剤を血管内に注射してから撮影を行う
多くの腫瘍は正常組織より血流が豊富なため観察しやすい
一部の腫瘍や、虚血部分は造影されない(黒く描出される)
・早期相(注入後15〜30秒)血管の評価に有効
・動脈相 動脈内造影剤濃度が最も高くなる相
・遅延相(注入後120秒以上)臓器の評価に有効
○ダイナミック造影CT
造影剤を急速静注(> 3mL/s)した後、同部位を反復撮影
腫瘍の種類によって血液の洗い出し時間が異なることを利用
肝臓や膵臓腫瘍の診断に有効
○CT血管撮影(CTアンジオ)
造影剤を急速静注した後、動脈相でCT撮影
動脈が描出されるので動脈瘤等の動脈疾患の診断に有効
○IVR-CT
カテーテル検査の最中に、血管に造影剤を注入しながら撮影
狙った血管や臓器のみを強く造影(正診率が高)
◆ヘリカルCT(らせんCT・スパイラルCT)
寝台を一定速度で動かしながら線源を回転させ続ける
◆多列検出器CT (MDCT)(マルチスライスCT(MSCT))
X線を扇状にやや広い角度に照射
検出器自体をスライス方向に複数並べる
◆心臓CT・4次元CT
【解析】
・任意断面再構成 (MPR)
対象物の任意の方向の断面を再構成して表示
・3次元レンダリング
陰影付け・遠近感を施し、直感的に把握できる3次元画像として表示
◆造影剤
・ヨード
・陰性造影剤(空気や水)消化管に注入
・油性造影剤(リピオドールなど)
【特徴】
◆利点
・検査が短時間
・高空間解像度
・低アーチファクトで広範囲の撮影が可能
・出血巣、骨、肺の内部構造などが明確に描出される
・普及率が高く、安価
◆欠点
・放射線被曝
・軟部組織の組織学的変化があまり反映されない
・脳底、下顎など骨に囲まれた部位でアーチファクトがでやすい
・造影剤副作用
2008/01/13 masashi tanaka