EDTA
関連概念 : 化学

[EDTA: ethylenediaminetetraacetic acid]

エデト酸。エチレンジアミン四酢酸。C10H16N2O8(292.24)。

   

金属キレート剤の一種。
普通ジナトリウム塩(エデト酸ナトリウム)。

【特徴】

  ・1価、2価、3価、4価の金属イオンと錯体を形成(キレート結合)
     Ag+、Ca2+、Cu2+、Fe3+、Zr4+ など
     特にカルシウム、銅、鉄(3価)、コバルト(3価)と強く結合
      (キレート滴定に利用)
     硬水中のMg2+やCa2+をキレートで捕集することで軟水化
      (シャンプーなどの化粧品に添加・金属中毒の治療剤)
  ・EGTAよりはCa2+への特異的結合能小さい(Mg2+にも結合)
  ・4つのカルボン酸と2つの3級アミン
     酸塩基反応にも利用
  ◆0.5 M EDTA (pH 8.0)
    ・Na2EDTA 186.1 g
    ・NaOH (個体)20 g
    ・蒸留水  800 ml(スターラーで攪拌しながら溶解)
    ・5M NaOHでpH8.0に調整(pHが8付近にならないと溶けない)
    ・1000 mlに調製(オートクレーブ不要)

【応用】

 ◆工業的洗浄
   重金属表面に付着したカルシウム、マグネシウムの錯化除去
 ◆合成洗剤
   カルシウム、マグネシウムの除去(水の軟水化)
 ◆写真工業
   鉄(III)-EDTA錯体の酸化剤としての利用
 ◆パルプ・製紙業
   非塩素系漂白剤使用時に生じる過酸化水素の安定化(重金属の錯化除去)
 ◆繊維工業
   漂白剤安定化のための重金属錯化除去
 ◆農薬
   主に石灰質土壌における鉄、亜鉛、銅を含む肥料としての利用
 ・食料品 - 保存料、安定化剤、鉄分強化剤としての利用
 ・化粧品 - 保存料としての利用
 ・石油生産 - 無機物の沈殿を防ぐためのボアホールでの利用
 ・乳製品・飲料 - 乳成分由来の汚れの除去
 ・排気ガス - 窒素酸化物の除去
 ・医薬品 - 急性高カルシウム血症、鉛中毒の治療
 ・歯科治療 - 歯の根管の洗浄(無機物の除去)
 ・その他の治療 - デトックス、キレーション治療、キレート療法等
 ・金属イオン捕集剤としての利用
 ・酵素の不活性化剤として広く用いられる。
 ・キレート滴定
 ・緩衝液
 ・スフェロプラストの作成
 ・水の硬度の決定
 ・抗凝固剤としての医療機器・実験器具への利用
 ・微生物には分解できないため、ヨーロッパでは使用が規制

2010/10/30 masashi tanaka

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