[neurobiotin]
N-(2-aminoethyl) biotinamide hydrochloride。
ニューロビオチン。分子量322.85(286という説も)。
ビオチンの一で、神経細胞の染色に用いる。
biocytinなどと比べ、溶けやすく、イオントフォレーシスで動きやすく、細胞内に長くとどまり、毒性が低く、ホルマリンやグルタルアルデヒドで固定できる。
ギャップ・ジャンクションの染色の報告もある。
【特徴】
・細胞内に長く留まる
・細胞毒性?(B Schlösser et al.,1998)
・ホルマリンやグルタールアルデヒドで固定するため免疫染色と併用可
・検出はアビジン-ビオチンシステムを利用(発色・蛍光いずれでも観察可)
・biocytinよりも分子量小さい
ギャップ・ジャンクション通りやすい
・陰イオンにCl-があるので、Cl-[i]に注意。
【操作法(脳スライス標本)】
・記録電極の作製
ミクロフィラメント入りのガラスキャピラリー(外径1〜2mm)を牽引
・電極内液
2% NEUROBIOTIN Tracer
1.0M メチル硫酸カリウム(または 1.0M 塩化カリウム)溶液
・細胞内への導入
脱分極矩形波を2〜10分間通電(細胞内に拡散させる)
・切片の作製
標本を 4% PFA で一晩固定
Vibratome で薄切するか凍結切片(40μm) を作製
PBS で洗浄
0.4% Triton X-100/PBS 溶液で 1〜2 時間処理
・各種染色
VECTASTAIN ABC 試薬+ DAB 基質(発色による観察)
アビジン+酵素標識ビオチン+ DAB 基質(発色による観察)
蛍光標識アビジン(蛍光による観察)
2009/10/31 masashi tanaka