ナイスタチン。ニスタチン。
穿孔パッチ法に利用されるポリエン系抗生物質。
amphotericin Bに類似。
【特徴】
◆作用機序
細胞膜のエルゴステロールと結合して膜に小孔を作る
・単一分子(monomeric form)でcation選択的チャネル
・tail-to-tail dimerでanion選択的チャネル
(Kleinberg&Finkelstein,1984)
孔直径8Å(MW 300以上の分子は非透過)
Na+,K+,Li+,Cs+,Cl-などを通す
陽イオンの方が透過性高い(PNa/PCl = 10)
数分で電極内濃度と細胞内濃度均衡
Cs+はK+チャネルつぶしてくれる
多価イオン(Ca2+,Mg2+など)はほとんど通さない
ナイスタチン自体は細胞内に入らない
チャネル透過性は電位依存性ない
◆穿孔パッチ法(Horn&Marty,1988; Korn,1991)
・ストック
DMSOでの高濃度保存(50mg/ml)で-20℃でも数日しかもたない
高濃度DMSOが膜にダメージを与える可能性
50-100ug/mlではsonicationでも難溶でaggregateしがち
stockにもpipette(100ug/ml)にもsonication必要
一連のdouble bonds(光感受性・熱感受性高い)
光から保護する必要(顕微鏡照明も不要ならきること)
(おそらくdilute溶液では内部filter効果がないため)
暗室冷蔵(<0度)で溶液効果1週間以上保持
(100-250mg/ml in DMSO to 250ug/ml: Zhou&Neher,1993)
backfillのような短時間でも暗くすべき
溶液を超音波でよく混ぜると効果増大・穿孔時間減少
そのためsonicatorの水レベルboilになるよう調節
その後細胞内液に溶かしてsonication 2-4min
(この間も光・熱から保護すること)
電極3-5MOでdip5-15sでbackfill後2-5minでseal
sealから1-5minでRs=30-70MO
水溶液に溶かすと1-2時間で使えなくなる
・nystatin:fluorescein-Na=1:10のメタノール溶液
遮光していれば長時間保存可能
使用直前に窒素ガスでメタノールを除去
fluorescein-Naの両親媒性のおかげでnystatinの溶解度上昇
・シール困難
・対策
・giga seal後に電極内灌流(Horn&Marty,1988)
・電極先端(<0.5mm)に無nystantin液(dip<2sec)
nystatinはback-fill
泡tapして除去しても無nystatin領域は保持されるようだ
・強い陽圧かけず短時間でアクセスした方がよい
・常時bath灌流してnystatin除去
・ポア形成
・シール成立から2-10min
・直列抵抗= Rs+Rp(Rp:ポアの抵抗)
◆抗真菌
膜に小孔作成して殺菌
カンジダ症の治療
腎毒性が強いため局所的投与
【方法】
GΩシールの形成をしやすくするため
・N-F法(ナイスタチン-フルオレシン法)(Yawo.H&Chuhma.N.,1993)
・N-N法(N-F法のナイスタチンが光で急速に不活性化する点を改善)
2011/10/03 masashi tanaka