[t-RNA, transfer RNA]
転移RNA。運搬RNA。アミノアシルtRNA。
RNAの一。
アミノ酸と結合したtRNAはアミノアシルtRNAという。
【分類】
・tRNA
・セレノシステインtRNA(他のtRNAにない様々な特徴)
【構造】
・73〜93bのヌクレオチドが連結した構造
・D、anticodon、Tという3個のステムループが折り畳まれてL字型
・L字の長い方の棒の先端にはアンチコドン
・短い方にはCCAという配列
CCAのAにアミノアシルtRNAシンセテースによりアミノ酸転移
(アミノアシルtRNAではクローバーリーフ構造)
・アンチコドン(三つ組みのヌクレオチド)
(クローバーの上端、真中の葉の先)
・アミノ酸
・修飾塩基(modified base, 微量塩基, minor base、rare base)
・メチル化(1個以上のメチル基がヌクレオシドや糖に結合)
7-メチルグアノシン・リボチミジンなど
・塩基の再構成(プリン・ピリミジン環中の原子交換)
シュードウラシルなど
・二重結合の飽和(塩基の二重結合が単結合に)
ジヒドロウリジンなど
・脱アミノ化(アミノ基の除去)
イノシンなど
・硫黄への置換(グアノシン・ウリジンの酸素原子が置換)
4-チオウリジンなど
・重金属による修飾など更に複雑な基の追加
セレノウリジン・キューオシンなど
修飾塩基として様々な動物種で50種類以上の塩基が見つかっており、すべてがtRNA修飾酵素によって触媒される。
tRNAのアンチコドンがイノシンである場合、mRNAのシトシン、アデニン、ウラシルと塩基対を構成する。
アンチコドン以外の化学修飾塩基については、その役割は不明でtRNAのコンフォメーションの安定化に役立っているのではないかといわれており、誤まったアミノ酸がtRNAに結合することを防いでいるとも言われているが、定かではない。
【機能】
特定のタンパク質を運ぶt-RNAは、mRNAのコドン(三つ組みのヌクレオチド配列)とペアを組み、リボソームへ並んで入ることによって、遺伝子情報どおりにアミノ酸が配列される。
【特徴】
・塩基の修飾
・あるtRNAが複数のコドンに対応することがある(コドンの揺らぎ)
2007/08/26 masashi tanaka