キンカチョウで片側RAをイボテン酸で破壊すると、不可逆的に導入音と地鳴き以外の囀りを歌えなくなったが、幼鳥で片側破壊しても正常な成鳥のような歌を学習可能（tutor歌との比較はしてない）。
片側RA破壊して学習された歌は、同側HVC刺激で影響を受けないので、反側の回路を用いていると考えられる。
反側HVC刺激では、通常の鳥と同様、歌のtruncation(stopとそれに続くrestart)、もしくはシラブルの歪みを引き起こしたが、通常の鳥よりも短い潜時(53 ms; 通常79 ms程度)で歌に影響があり、その際、truncationが多く>70%で（通常はシラブルの歪みのみでtruncationは<30%）、特にrestartが多い傾向だった。
また、反側RAを電気的に局所破壊(50-250µm)すると、特にdorsal破壊でintroductory noteの割合が相対的に増え、歌を終えるシラブルが不安定になる傾向。

【文献】

　◆鳥の両側歌回路のcoordination
　　(Schmidt and Ashmore,2007)
　　(Schmidt 2003; Schmidt et al. 2004; Williams,1985)
　　(Ashmore et al. 2005; Schmidt et al. 2004; Wild et al.,2000)
　　・DMP(Vates et al. 1997)
　　　　反側MMAN介してHVCへ(Foster and Bottjer,1993; Vates and Nottebohm 1995)
　　・DM(Reinke and Wild 1998; Striedter and Vu,1998)
　　　　反側Uvaへ出力